一般社団法人 日本東洋医学会

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漢方についてKampo

解説 - 第10章 いざ、編集長との最終決戦

小柴胡湯と間質性肺炎

それまで重篤な副作用は知られていなかった漢方薬について、漢方投与後に間質性肺炎が発症し死亡したとされる症例が報告された。それまでの「漢方薬は副作用が無い」という安全神話が大きく見直されるきっかけとなった事件であった。

小柴胡湯は肝炎に対する適応があり、また、当時インターフェロン治療が広がりはじめた時期であった。小柴胡湯が肝炎に対して多くの症例で使用された。

その後、様々な漢方処方で間質性肺炎の報告が行われている。漢方薬を用いた場合に空咳や呼吸困難が認められる場合は処方される医師に早めに相談すべきである。また、定期的な呼吸音の聴診や血中酸素濃度測定、KL-6という血液検査も必要である。

漢方薬は医師や薬剤師などの有資格者がきちんと体調管理しながら処方されるべき薬剤である。

生薬問題

漢方薬の材料となる生薬の多くは中国からの輸入に頼っていた。最近、世界的に生薬治療に対する再評価が高まりつつあり、アジアだけでなく欧米各国も生薬治療を注目するようになっている。また、中国でも生薬が使われはじめている。生薬そのものを確保することが大変難しくなりつつある。また、レアアースのように投機の対象となってきていることもあり生薬の安定確保が重要な問題となっている。

その対策として一部国内での生薬生産を勧めるための様々な取り組みがはじめられている。しかし、急いで対応しなければ生薬そのものが無くなり、日本の伝統文化が一つ消えてしまうことになりかねない。